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 ラジオな時、ノマドな時。〈Ver.2〉

最北旅行記(メモ02):北門神社〜短歌の道〜氷雪の門

2022-10-20     
【最終日の4日目、2022年9月9日(金)の朝】



 ホテルをチェックアウトしたあと、午前8時すぎに、神官が常駐する日本最北の神社「北門神社」に行って、まずは参拝しました。お賽銭を納め、ガランガランと鈴を鳴らし、二礼二拍手一礼をしたあと、礼拝の場を辞しました。じつは、きちんと、にぎにぎしく二礼二拍手一礼をしたのは今回が初めてのことでした。
 そのあと社務所に行って、えぞみくじ「いカニもいいおみくじ」を引いたら、「吉」でした。「吉」は「大吉」の次にくるおみくじと、「大吉、中吉、小吉」と「末吉」の間にくるおみくじの二種類があるそうですが、「北門神社」の「吉」は、以下のような文面なので、後者のような感じがします。……ま、いっか(笑)
◎ 「中吉、吉、小吉…おみくじの「運勢・縁起がいい順番」、知っていますか? (2ページ目)|CanCam.jp」
 
 ということで、以下は「えぞみくじ『いカニもいいおみくじ』」(400円)からの抜粋です。

第三十番 吉
今まで気苦労が多くてこわくても、これからは運気開いて良くなるっしょ。だからといってなまずるいことをすればすぐにわざわいが来てわやくちゃになるわ。人からのアドバイスを聞いてまていに行えばいいんでないかい。
○願望 思うだけでは進まないべさ。行動あるのみっしょ。
○健康 消化器官系には注意だべさ。腹八分目がいいっしょ。
○仕事 自主的に取り組めば取り組めば仕事の幅が広がるっしょ。
○恋愛 相手を受入れることで始まるんでないかい。
○金運 衝動買いは後悔するべさ。買う前に吟味っしょ。
○学業 今がけっぱりどこ。諦めたら先に進めないべさ。

 そういえば、「北門神社」には、子犬を抱いた狛犬やお稲荷さんもありますね。この心楽しいおみくじだけでなく、最北の地の大きな神社は、なかなか個性的な側面ももっているようです。


 さて、朝8時台と早朝なこともあり、参拝客はほかにいなかったので、神社の社(やしろ)や、境内をあちこち写真に収めました。すると、「短歌の道」の案内表記があったので、その坂道を登って行くことにしました。
 思ったよりも傾斜のある道をゆっくりと登りながら、路傍に展示してある和歌の碑を一つひとつ写真に収めながら、登って行きました。
 その途中で、「短歌の道」の脇の花壇のある草地に、鹿の家族でしょうか、4~5頭ゆったりと寛いでいるのを見かけました。写真を数枚撮りましたが、とくに警戒するようすもなく、手入れされた芝生の上に座りこんで、こちらに目を向けているだけでした。

 鹿の撮影が終わるとさらに坂道を登って行きましたが、この日は朝から天気がよく、道ばたの木立には、蝉が盛んに鳴いていました。あの声はニイニイゼミかな。姿を探したけれど、見えなかったな…。
 路傍に点在する歌碑たちは全部で十一基確認できました。木の切株を模したつつましやかな歌碑には、それぞれ一首ずつ短歌が展示されているけれど、おそらくは現代歌人の作品まで展示されているもよう。ただ、どのような選定方針なのかは(いまのところ)不明です。
 なお、以下の資料によると全部で十九基あるそうで、いずれも地元稚内あるいは稚内に関係ある短歌愛好家の方々の作品とのこと。
◎ 「広報わっかない 2016年(平成 28年)7月 第 771号(12)」稚内市発行(PDFファイル)

 自分も短歌を詠む者でして、自身の第一歌集を電子書籍にてAmazonから出版していることもあって、確認できた十一名の歌人の方々の展示作品を鑑賞していましたら、どうしても、その素晴らしい作品の数々をここで紹介させてもらいたくなりました。
(ということで、勝手な仕儀ではありますが、順番は作者名の五十音順(敬称略)にて掲載させていただきたいと思います。なお、「読みがな」は正しくないものがあるかもしれません。とりわけ、飯村とめ様や田上俊三様の歌など。また、達筆な揮毫ばかりですので、写真から文字起こしした際に誤りがあるやもしれません。なかでも、加藤久子様の「しやませ」の「も」、松岡花枝様の「雪サハリン」の「の」、森八重子様の「凪き(なぎ)てり」の「を」は、自分の浅学から原文の文字が判読できないので、これらの文字を勝手に当てています。また、金村恵美様の初句の「から子へ」の「父」は、陽光の照り返しで判読できないので推測の域を出ておりません。このことから、これらの文字については、いずれも下線添加しています。ご容赦くださいませ。

飯村とめ 「没(お)つる陽と深まる利尻と日本海美(は)しきわが街われ生きる街」

勝井かな子「愛されて愛して友よ海山よ離れがたきよわが稚内」

加藤久子 「しやませ止みて裸木(らぼく)に雪の花炎(も)え顕(た)つがごと皆吾れに向く」

金村恵美子「から子へ子から孫へと継がれゆく牛飼ふ人生悔ひなき一生」

菊田千枝子「固雪にけもの通りし跡ありて春おおらかに目覚めつつあり」

高橋とみ 「オホーツクの海の底より鳴りいでて冬の虚空(こくう)に轟く潮(うしお)

田上俊三 「防人(さきもり)の墓の傍(かた)へのななかまど季(とき)巡り来て朱(あか)き実つくる」

中村昌子 「誰(た)が打ちし平和の鐘か澄みし音(ね)に祈りをのせて海面(うなも)を渡る」

服部十郎 「採りし昆布の量を競ひて漁夫たちのかけ合ふ声が風に乗りくる」

松岡花枝 「海峡のか黒き果てに連なれる雪サハリン眼に灼きおかむ」

森八重子 「晴天のノシャップ岬は凪き(なぎ)りギンナン草の初採集日」



(※) この四首は、上携和歌のうち下線を施した句(私の浅学等の理由により文字判読ができない箇所)のあるものとして、参考までに掲出しました。とくに、松岡花枝様の「雪●サハリン」は残念ながら私の知識では読めません

 さて、「短歌の道」を登って行くと、行き着いた先が「氷雪の門」がありました。前日「開基百年記念塔」に行ったとき、時間の関係でここは素通りしたので、今回、ここまで登ってきてよかったなと思いました。
 パーキングを兼ねたちょっとした小公園になっているこのエリア。ドラマチックな美を湛えた女性像のモニュメントが目を引きます。また、悲しくも自死した「九人の乙女」を偲ぶ碑文も、同じエリアの中にあります。先の大戦の引き起こした、忘れてはならない「悲劇」が、しっかりとここに“顕示”されています。

「氷雪の門」をじっくり観覧したあとは、もと来た道をくだって神社の境内へと向かいました。
 この鹿たちは道を登って行くときに見かけたあの鹿たちのようですが、あのときと変わらない様子で、思い思いにこの手入れの行き届いた草地を楽しんでいるようでした。
 帰路でも立ち止まって何枚か写真を撮ったのですが、このときも、鹿たちにまったく警戒する様子はなく、まるで稚内市民であるかのような落ち着いた態度で、私のほうを見返していました。
 鹿たちと別れを告げ、北門神社まで降りてくると、なにやら黒っぽい服装をした大集団が「短歌の道」を登りはじめています。狭い道なのでとてもじゃないですが、すれ違うことはできません。そこで、道から転がるように脇にそれて、社殿の横の敷地に早めに降りました。
 よく見るとその集団は、年若い男女数十人の集まりのようで、どうやら、地元の高校生の野外学習のようでした。「短歌の道」を登って「氷雪の門」に行き、さらにその上の「百年記念塔」まで行くのかもしれません。Good luck!!
  
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Kay(ケイ)といいます。現在、Livedoor Blog「ラジオな時、ノマドな時。」から引っ越し中です。暇を見つけてやってゆくので、時間がかかりそうです(^^)

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