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2020-9-26
『鎌田喜八集(『現代詩全集 第五巻』(ユリイカ)内)』中の「エスキス30」をじっくり読み返した。やはり、素晴らしい。いまでも鳥肌が立つ。これは、同氏をはじめ数作品を国会図書館のライブラリから地元の図書館経由で入手(印刷)したけれど、全編収蔵されているわけではない。全編もの(詩集『エスキス』)は生誕地の青森市に行けばあるらしい。たしか自費出版の詩集だったような。
あと、鎌田さんの「エスキス」を探していたときに、上記全集の中にある粒来哲蔵(つぶらいてつぞう)さんの作品をちらっと読んでもっと読みたくなったので、ググったところ。こちらはより“メジャー”な方のようで、『粒来哲蔵詩集』(現代詩文庫72、思潮社)という立派な市販本がでている。さっそく取り寄せた、古本だけれど。見れば散文詩が多いようだ。基本的な感覚は微妙に自分と異なるけれど、この文體は閑かに‘まねび’たいと思った。以来いまだに学びきれていない。
2020-09-27
鎌田喜八の詩『エスキス30』より「」内を抜粋
「まり おまえにやさしくうたれ また綾されるのみでわたしは足りる 夜は炎の息にして飲み 昼は弾むいがぐりにして 極みない高みから落ちてくる度にこの身を鋭く刺させたい」「あなたに向かって《わたしだ》と告げ そしてあなたから逃れてなお在る保ち方がない」
2020-09-29
『ラジオドラマ脚本入門』が届いたよ。見た目きれいな本。でも200余ページ中最初の24ページまでのところどころに黄色いマーカーが引いてある。ま、ボールペンの線引きではないのでかろうじてOKかな^^; それにしても、最安価格なのにこれも「非常に良い」だったな。最近は中古評価のガイドライン無視が横行してるもよう。で、肝心の内容は、とりあえずざーっと読んだ感じでは、けっこう参考になりそう^^♪
2020-10-03
いま目を通しているラジオドラマの本(『ラジオドラマ脚本入門』written by 北阪昌人)に「構成台本」というものの紹介があり、そのお手本を読んでいる。そこでの舞台は熊本県天草市。旧本渡市についての記述はよく知った土地がらでもあるので親しみがわく。
さらに、離島と位置づけされている恐竜の町、御所浦まででてくる。ここには19歳のとき、友人の知り合いで地元でハコ漁(生簀で鯛やブリの養殖)を営む網元のお宅に一泊したことがあり、そのときの体験は当時故あって気分が落ちこんでいた私にはけっこうなインパクトがあって、あの漁港や漁家の佇まい・ハコ漁のようすなどいまでもよく覚えている。
そして本書では、御所浦に関する叙述のなかで、あの有名な脚本家(・劇作家・演出家)の倉本聰さんに地元出身の放送作家(・脚本家・ラジオパーソナリティの)小山薫堂さんがヘッドフォンを差し出す場面がある。そしてこの場面に続いて、「11 御所浦にて曲を聴く(改行。4文字下げ)M 押尾コータロー『ずっと・・・』」という箇所があり、気楽に字面を追っていた私の目はここでとまった。
脚本中に独立して書かれた「M」とは挿入曲またはBGMのことであるが、これに続けて、珍しく具体的な楽曲名まで記されている。私の目はそのアーティス名の処で止まったのだ。なんと、その人は、まったくの私事ながら、昨夜の「THE NITE」で新アルバムの紹介として数曲連続でかかった、優れたギター奏者にしてオリジナルギター曲を数多く世に出している人だったのだ。
じつは私はこのアーティストの存在を一昨日まで知らなかった。その日、同氏の同番組への出演ではトーク中心だったので、生演奏を聴いたときのよい印象は残っていたけれど強い関心を懐くまでにはいたらなかった。けれども、昨夜聴いたギター曲の素晴らしさに惹かれて新アルバムの購入を検討しているさなかに、この不意をつくような遭遇となったので、ピタリと文字を追う目がとまったのだ。
そしてこれだけにとどまらず、懐かしい御所浦の想い出がこの邂逅に重なってきて、この構成台本の描く作品世界との出会いそのものが、私にとって特別なものに思えてきた。たとえば、「構成台本」のスタイルそのものが一編の詩になりうるという発見。
そしてさらに、ここまで書いてきてこうも思っているーーこの本に出会えてほんとうによかったと。本書にはほかにも随所に数多くの示唆や意欲を掻き立てる種が蒔かれていて、近い将来豊穣の実りを収穫することができると確信するにいたったからである。
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おや? いま、mwaveで流れているBGMもコータローさんじゃないのか? あのアコースティクギターの、とりわけ高音域の華麗で繊細な響き。ギターソロではないけれど、おそらくまちがいない。