2021-05-09
AmazonのKDP(Kindle Direct Publidhing)で電子書籍を出版するには、データとなるePub(/ePUB/EPUB)ファイルをmobi形式に変換しなくてはらないようだ 。たとえば、楽天KoboではePubファイルでいいけれど（というか、今のところそれしか受け付けていないもようだが）、KDPではePubは弾いているようだ。商売敵ということなのだろう。
なので、ePub→mobiの変換ツールを探してみたけれど、Macの旧バージョンで使える、それ用のフリーソフトは見当たらない。その代わりに、Web上で無料の変換サービスをおこなっているサイトはいくつか見かける。ここにデータをアップロードしてしばらく待てば、mobiファイルになってものをダウンロードして手に入れることができる。
でも、これから商品として売り出そうとしている大切なコンテンツの生データを、得体の知れない変換サイトにホホイノホイ！と晒すわけにはいかない。そもそも、何のために等身大の検証用ePubファイルをこしらえて、挙動とレイアウトの検査をしたのかわからなくなる。
そこで、ちょっと立ち止まって腕組みしながら、もう一度「ePub mobi 変換 Mac フリー」とかでネット検索をかけてみたら、挙動とレイアウト確認に使っている、あのCalibreの記事が顔を出してきた。それをよく読むと、どうやらこのフリーソフト、電子書籍の管理だけでなく、ePubからmobiへのデータ変換もやってくれるらしい。
記事を参考にしながら、手持ちのバージョンのCalibreを開いて、変換したい書誌データを選択し、「本を変換」＞「個別に変換」と進んでみたら、「入力フォーマット(EPUB)」と「出力フォーマット(MOBI)」の設定で変換できるようだ。そこでさっそく、ダミーのePubファイルを変換してみたら、「フォーマット」の情報表示のなかに、ePubに加えてmobiが「MOBI」として追加されている。
これで、KDPへの出版体制は調った。あとは、肝心要のユーザー登録をするだけだ。この手続きでは、日米間の租税条約を背景とした米国租税手続上の要請として、源泉徴収税率(30％)軽減措置をうけるためにはTIN（納税者番号）なるものを入力する必要があるらしい。しかし、これを取得するためには郵送による書類のやり取りが介在して、取得までに時間がかかる。
そこで、代わりにマイナンバーを入力すると、Web上の手続きだけで、ロイヤリティ（印税）からの源泉徴収０％となるらしい。だが、これは、どうやら慣例化しているだけの曖昧な対応のようであって、正式に認可された取り扱いではない、という判断が、当のAmazonの公式対応のようだ。
だが、ある方もネット上で、「よくよく考えると米国で発生した売上に対する税制優遇措置を受けるために必要なだけで、その他の国での売上には源泉徴収税額30%という大きな税率を課されることはありません」と指摘しているように、私は日本に居住する日本人であり、USAで出版事業をしている者ではない。
で、USAはもちろんのこと、日本であっても、出版しただけでは売れないのが、知名度ゼロの者にとっての常識だから、べつにかまわない（売り上げは出版後の販促活動しだいになる）。それに、なるべくなら、海外資本の民間会社にマイナンバーを晒したくはない。となると、「ITINなし」で登録して、「（USAで売れた本は）源泉徴収税率３０％」の「判定」を受け入れた方がよさそうだ。
私の場合、現段階においては、Amazonでも出版しているという「事実」が必要であり、そのこと自体に価値を見いだしているのでわざわざKDPにも出展するわけで、大いに売りまくって印税生活を謳歌しよう、などという“大それた”狙いはそもそもない。
なので、１冊につき、通常扱い３５％のロイヤリティの７掛け＝２４.５％しか収益にならないけれど、それでも別にかまわない。ただ、将来、自作の小説等の英訳本をKDPに出展するようになったときは、米国人相手の販売の様相を呈するため、源泉徴収税率を０％に変更して、ロイヤリティの３５％（またはオプション活用による７０％）相当の印税を手にしたいとは思う。だが、そのような時がいつ訪れるかは、いまのところ未定だ。早くても３年後になるだろうか……いや、英訳第一作目は２年後の末までに、Amazonで出展することをめざそう。趣味ではないのでのんびりしている理由などない。
