2022-07-11 作家、
吉村昭さんの長編小説『海の祭礼』(1986年)を読んでみたら、その独特の文体にすっかり魅了されて、展開される物語世界にふかく沼ることができたので、引き続きその感覚を味わいたくて、長編小説『間宮林蔵』(1982年)を読んだのですが、この作品も『海の祭礼』と同じ文体で綴られていて、すっかり物語の池沼にすっかりはまってしまいました。どちらの作品も、日を置いてまた読み返したいと思っています。
で、 吉村さんの作品については、ほかにも沢山あることを知ったので、とりあえず、新たに以下の9作品を入手して、『海の祭礼』と『間宮林蔵』に近い文体の作品から読んでいきたいと思っています。
『海の壁 三陸沿岸大津波』(1970年、文庫版『三陸沿岸大津波』)、『空白の戦記』(1970年)、『冬の鷹』(1974年)、『漂流』(1976年)、『羆嵐』(1977年)、『破船』(1982年)、『花渡る海』(1985年)、『海馬(トド)』(1989年)、『ニコライ遭難』(1993年)
このうち、『海の祭礼』と『間宮林蔵』に近い文体の作品は、『三陸沿岸大津波』空白の戦記』『冬の鷹』『ニコライ遭難』といったところ。どれも会話文の割合が多いので、『海の祭礼』『間宮林蔵』に比べると、いかにも創作的な物語性の高いものとなっているようです。
それ以外の作品は、いかにも物語って印象ですね。 どちらもゆっくりと、マイペースで読んでいきたいと思います。
そして、未入手だけど読んでみたい作品は、『雪の花』(1971年)、『魚影の群れ』(=『海の鼠』1973年)、『北天の星』(1975年)、『ふぉん・しいほるとの娘』(1978年)、『長英逃亡』(1984年)、『桜田門外の変』(1990年)、『生麦事件』(1998年)、『彰義隊』(2005年)といったところ。
おそらく『海の祭礼』『間宮林蔵』に近い、まるで歴史資料を巧みにつなぎ合わせたかのような文体の作品も多いだろうと思いますので、その意味からも、いずれは読んでみたい作品たちですね。